トラック中距離競技のキング決定戦
オムニアムは4つのレースの総合得点で順位を争うレースです。1日で4レース一気にやるためスピードの他に持久力。そして頭脳も必要となってきます。
単純にスピードだけだと海外選手に負けてしまうことが多い日本人選手も、オムニアムだと総合力、立ち回り、粘りなどで活躍が見られる注目の競技です。
2020東京オリンピックで女子オムニアム銀メダル獲得の梶原悠未選手が有名です。
第1レース スクラッチ
まずスクラッチレースで争います。
距離は男子10km、女子7.5kmです。
単純に最終順位を争うレースですが、ロードのアタックみたいに加速と減速が繰り広げられるため、落車も多く脚もかなり使います。
残りの3レースのためにできるだけ脚を残しつつ、展開に揉まれないように立ち回るクレバーさが求められます。
第2レース テンポレース
オムニアムでのみ行われる競技。
男子10km、女子7.5kmです。
基本はポイントレースと同じ感覚ですが、4周ごとに1位にのみ1ポイント与えられるルール。
2位だと点数が入らないので、モガキ損が発生するため仕掛けどころが非常に重要。疲れるだけで点が貯まらないことになってしまいます。
ポイントレースと同じく抜け出して集団に追いつくと20点入ります。
ポイントレースより抜け出しの20点獲得がかなり生きる展開になります。
第3レース エリミネーション
この時点で結構脚が削られている段階。そこに来て生き残りレースのエリミネーションです。
ここでは既に脚を使っている状態なので、できるだけ外を回らないようにして距離を短くするのが重要になります。
ですが内側にこもってしまうと、外から被せられて前に出られず失格になってしまうこともあります。非常に立ち回りが重要となりますね。
距離は周回ごとになるため出場選手の数次第です。
第4レース ポイントレース
オムニアム最終レースはポイントレースです。
男子25km、女子20kmです。
この時点で上位に食い込むための必要点数がだいたい見えてきています。
大差があるなら1周ラップしての20点を狙います。
また点数が近い選手をマークして、その選手より常に前で周回ポイントを取るようにする、こうすることでポイント数が追いつけないように立ち回る、といったクレバーさが求められます。