鉄ハンドルはとても硬くて重い
ピスト専用のハンドル素材には、ロードハンドルにはない素材があります。それが鉄、クロモリ鋼です。スポーツ自転車のハンドルは普通アルミ、カーボンなどですが、ピストでは競技の特性上、頑丈な素材のハンドルが用意されています。
鉄ハンドルの特徴は頑丈なことです。かなりの力で引いてもたわまずパワーロスしません。欠点は重過ぎることです。ロードのアルミハンドルが200g前後の重さに対して、ピストの鉄ハンドルは600g以上です。鉄の深曲がりタイプは740gもあります。これは前輪一つ分にもなる重さです。
軽さより剛性を重視した鉄ハンドルですが、フランスナショナルチームがカーボン製ハンドルを使っていたことを考えると、やはり軽いことに越したことはないようです。
↑かなり昔の、カーボンハンドルが珍しかった時代の話です。今はカーボンハンドルばかり
アルミハンドルについて
逆にアルミハンドルは軽いのですが、鉄よりやわらかくなります。ロードハンドルで硬いと評判のアルミハンドルでも登坂やスプリント時は多少たわむのが普通です。
ピストは1kmmTTのゼロ発進、スプリント時などにロードレース以上の力がかかります。より剛性が求められるのは当然です。ただ、ピスト用のアルミハンドルは、ロードハンドルと形が違うせいもあり、ロードのそれより硬く感じます。実際にプロなら鉄ハンドルというわけでなく、アルミハンドルを使選手ももちろんいます。
ブルホーンバーについて
ブルホーンバーはピスト専用として売られていないので、ロード向けのアルミ素材が一般的です。世界選手権の外国人選手も市販のものと思われるブルホーンバーを使っています。
1kmTTのスタートでブルホーンバーは使用されますが、パワーのある外国人選手がアルミ製の市販ブルホーンバーをたわませながら発進していきます。相当力をロスしているように見受けられますが、この光景から考えると何が何でも硬さにこだわっていないようにも見受けられます。もしくはピスト用として満足できるブルホーンバーがないだけ、と言ったほうがいいかもしれません。
↑これもかなり昔の話。今はゴリゴリに硬いカーボンハンドルが出ています