空気抵抗を少なくする効果
ピストは0.1秒のタイムを争うので、フレームに空気抵抗を小さくする加工がされている場合があります。これをエアロ加工と呼び、これが施されたフレームをエアロフレームと呼びます。
2000年頃はエアロ効果と言ってもオマケみたいな扱いでしたが、2010年くらいから各ブランドがエアロ効果を争い出し、今やフレームはエアロで売れるような時代になっています。
カーボンフレームのエアロ加工
一番エアロ効果があるフレーム素材はカーボンフレームです。カーボンは造形が自由なので、最もエアロ効果の高いフレームを作ることができます。LOOKやアンカーのカーボンフレームは、空気抵抗が少なくてタイムが大幅に縮むと言われています。
友人がアンカーの安いほうのフレーム(昔の2021ANCHOR以前のもの)を使っていますが、それまでのクロモリパイプフレームより平均してハロンで0.1~0.3秒ぐらい速くなっています。
1kmTTの場合は、1分19秒くらいの選手が1分15秒くらいになったという結果もあるそうです。友人の結果では、ハロンも含めてベストタイムに近いタイムが安定して出るようになった点が大きいと思います。
友人の話によると、走っているとすごい風切り音がするらしく、空気を切り裂いているのが分かるそうです。となると、やはり空気抵抗は少なくなっているのでしょう。
(しかし、空気の切り裂き音が聞こえるということは、それだけ抵抗が生じているという話なので感覚だけなのかも)
大幅にタイムが伸びるかは不確か
ただ、この友人の結果はエアロ効果だけでなく、それまで使っていた中古フレームだったことも関係しているはずです。へたっていたであろう中古鉄フレームに対して、新品カーボンフレームの「進み」の良さも大きく貢献しているはずです。タイム短縮の原因の全てがエアロ効果ではないと想像できます。
速い人がカーボンエアロフレームを使うと、より効果を体感でき、タイムにもはっきりと差が出るものかと思います。ほとんど練習していないのに、あまりタイムが出ないと悩んでいるアマチュア選手が、高額のお金を出してそれに見合うタイム短縮ができるかどうかは怪しいところです。
(今はエアロ追求がすごいので、当時とは違うほど差を生んでいると思われます)
アルミフレームのエアロ加工
アルミフレームにもエアロ加工されたものが発売されています。アルミのエアロ加工といえば、シートパイプの翼面加工とサドル下までの延長、ダウンチューブの扁平加工などが一般的です。
アルミのエアロフレームに乗ったことがありますが、はっきりと風切り音が聞こえます。鉄の丸パイプフレームを使っていた時にはなかった現象です。やはり空気を切り裂いているので空気抵抗は少なそうです。
(切り裂き音が聞こえているから逆効果?思い込み?)
でも空気抵抗の減少を計算し、それを自由に再現できるカーボンフレームに比べると、アルミフレームの空気抵抗軽減力はかなり少ないと想像できます。
鉄フレームのエアロ加工
鉄フレームの場合はほとんどエアロ効果を期待できません。鉄フレームのパイプは真円がほとんどです。少し扁平加工したパイプもありますが、アルミのように極端な板状にはできないので、カーボンやアルミのような大きなエアロ効果は期待できません。
エアロ効果を求めるなら、カーボン、アルミ、鉄の順になります。そして圧倒的にカーボンが有利。段違いの段違いです。