アマチュアなのでバラバラ
ピストのギア比は、本来、非常にシビアに検討し決めることですが、アマチュアレースでは1パターンで通す人も多くなります。ギア板が高価なのと、交換が面倒くさいのが理由です。
以下に競技内容別のギア比目安を書きましたが、かなり狭い範囲で見聞きしたことなので参考程度に考えてください。もちろん、どれも脚力で大きく個人差が出ます。
基準は、普段ロードに頻繁に乗っていて、一般大勢のアマチュアにしては良い結果を出そうと考えている人です。
これに加えて、若い人は軽めで、年配の人は重めになる傾向があります。回転力の差がギア比になって表れます。
これからなら50×15が一般的
アマチュアのピストレースをこれから初めて結果を出すには、50×15のギア比くらいからが必要かと思います。普段しっかりとロードに乗っている人なら、これでスプリント、1kmTTと何でも対応できるギア比です。50×14の人もいますし、あまり脚力に自信がない人は、48×15くらいからだと思います。
ただ、重いからといってギアを軽くしても、回転力がなければタイムは変わらないどころか遅くなります。回転力をつけるにはもちろん軽いギアが有効なのですが、レースでタイムを狙うとなると不利になります。若い高校生は軽いギアでもすごいタイムを出しますが、大人のアマチュアだとなかなか難しいと思います。
ちなみに競輪学校の入学試験では49×15になっていて、それで1kmTTを1分10秒以内出さないと合格ラインに到達しないとされています。
普段は48×14だけど最近はピストの練習していないから48×13にするってこともあります。高回転練習していないから回転は出ない。それをギア比高めでカバーするってことです。そういった奥深さも楽しんでいくといいでしょう。
ちなみに競輪は事前に各選手のギア比が公表されています。プロなので参考にならないかもしれませんが、少なくともギア比の上限は分かるのではないでしょうか。
競技別のギア比(参考程度に)
スプリントで本当に強い人は48×14や48×13が多いと思います。ちなみに50×15でも速い人はハロンで11秒台を出せます。重ければ速くなるわけではありません。やはり回転力がないとハロンはタイムが出ません。
個人追い抜きは人によりけりですが、1kmTTより前ギアを1つか2つほど小さくするのが一般的かと思います。スクラッチやポイントレースは、1kmTTと同じ人もいれば、個人追い抜きよりさらに軽い人もいます。
集団系レースは軽すぎると逆につらい
競輪やスクラッチ、ポイントレースなど大勢で走るレースは、自分が集団内にいると空気抵抗が少ないためギアが軽く感じます。長距離だからといって軽くし過ぎると、ペダルの踏み応えがスカスカになってスピードの変化についていけなくなります。
競輪は、時速50kmあたりまで先導車を風除けに列になって走るため、スプリントのギア比より重くします。前1枚くらいの人もいれば、かなり重くする人もいます。脚質や作戦にもよります。
基本的に1kmTTやスプリントのギア比を中心に、個人の長距離は軽め、競輪を除く集団レースは軽め、競輪は重めだと思います。
結局は自分の脚力によるので、短距離系重視なら、ロードに乗りなれている人は50×15、自信がなければ48×15か49×15あたり。中長距離系なら48×15か49×15あたりで走ってみて、その体感を元に調整すればいいかと思います。