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ツールドフランスなどをたまたまTVで見て自転車レースを始めた人は、初めて日本の自転車レースに出たらもしかすると失望するのかもしれません。
失望というとかなり大げさなのですが、ヨーロッパの自転車レースと日本のそれは全く違う状況で行われるのは事実です。
ご存知のとおり日本社会における自転車という交通手段はかなり低い地位にあり、さらに交通問題の諸悪根源となっております。
ヨーロッパは車より自転車優先というほどの文化で、街中の交通規制を大規模にやってまで自転車レースを開催します。
ところが日本はそうはいきません。街から街へ100kmも交通規制なんて不可能です。ヨーロッパはそれができます。
ですからとある街からとある街まで行ったきりのコースになるのが普通にあります。日本ではごく一部を除いてありえない設定です。
そもそもマラソンレベルでも交通規制ができません。それだけ自転車文化が馴染んでいません。
日本のレースはそういった環境から、1周数kmのコースをグルグル何周も回るレースがメインとなります。
さらにいうとサイクルスポーツセンターのように車や歩行者が一切入り込まない専用サーキットで開催されます。
カテゴリー2級の山を越え平地がしばらく続いた後の1級の登りが勝負を分ける!なんて展開は日本ではありません。同じところをグルグル回るからです。
クリテリウムなどの平坦コースを除けば、大体が登っては下るの繰り返しコースになります。平坦区間も組み入れることさえ結構な難しい設定なのです。
じゃあ日本の自転車レースは面白くないの?となりそうですがそういうわけではありません。
出場すればすぐにしんどくなりコースがどうこうとか考える余裕なんてありません。確かに行ったきりのコースはかなり達成感があり風景も綺麗なのですが、周回コースを走っていてそのこと自体に不満を覚える人はほとんどいないでしょう。
どんなコースでも走り終われば、あーあそこをもっと踏めば…とか来年もう一度!と感じることでしょう。もう嫌…と辛すぎてそれっきりになる人もいるでしょうが…
見ているほう、観客にかんしては周回コースのほうが得すると言えるのかもしれません。
周回なので何度も選手が目の前を通過します。行ったきりのヨーロッパ主要レースでは一度きりです。
でも周回コースはあまり総距離が長いと飽きてくるのも事実です。その点ヨーロッパの有名主要レースは、普段自分達が住んでいる街中を駆け抜けていくのを毎年見るなんてお洒落な楽しみ方もできます。
どっちがいいのかなんて分かりませんが、TVで見る欧州の自転車レースと日本のレースは相当性格が違うということです。
いろいろ書きましたが、だからといって日本の自転車レースがつまらないわけでもありません。そもそもTVで見ている欧州のレースはプロなわけで、行ったきりでもチームバスで帰れますが、日本で行ったきりが主流になればアマチュアの我々なんて帰って来れませんからね。自走なり家族のサポートなり必要になってきます。
欧州でもTVで移らないこじんまりした日本みたいなレースは各地で多数開催されています。アマチュアはみんな自分に合ったレースの楽しみ方をしています。TVで見るのはごく一部なのです。
あなたがヨーロッパに移住したからといって行ったきりのレースにバンバン出れるわけでもないのです。プロにでもなれば別でしょうが。
ただ日本でも行ったきりのレースはあります。有名なのがツール・ド・北海道です。
全日程ではありませんが、本当に行ったきりの日があります。全日程参加する必要も無いので、北海道の大自然を行ったままの快感で楽しんでみてはいかがでしょうか?本当にいい思い出になるみたいですよ。
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